BIMの連携で一体なにができる?生産性が向上する活用事例6選!
5月 8, 2023
少子高齢化で人材不足が叫ばれる建設業界。国は対策として、長時間労働の是正などで待遇改善を図り、就業希望者を増やそうとしています。さらに、少ない人数でも仕事をこなせるように、ITやDX(デジタルトランスフォーメーション)による生産性の向上を求めています。
そのDXのひとつとして挙げられるのが、BIM(Building Information Modeling)です。国土交通省は、2023年度から「BIM/CIM原則適用」を掲げ、3次元モデルの作成および活用を推進しています。
建設業界において、BIMの導入は待ったなしの状態です。そして、BIMは建設業界のあらゆる分野と連携することで、生産性を飛躍的に向上させると期待されています。
本記事では、BIMの連携について活用事例を6つご紹介しています。BIMで一体なにができるのか知りたい方は、ぜひご参考にしてみてください。
BIM(Building Information Modeling)とは?
BIM(Building Information Modeling)とは、3次元モデルを用いて建築物の情報を一元管理する手法です。3D CADと違う点は、一般的な図面情報だけでなく、使用部材の名称や寸法、価格などのさまざまな情報を盛り込めることです。
これらの情報を、あらゆる分野のアプリケーションと双方向に連携することで、業務負担を減らし、生産性を向上させることができます。
BIM連携の活用事例6選
BIMを連携することで一体なにができるのか。以下の6つの活用事例をご紹介します。
- 積算
- 構造計算
- 施工
- 設備
- シミュレーション
- ビジュアライゼーション
BIMは建設業界のあらゆる分野と連携することで、業務を効率化できます。ぜひご覧になってみてください。
1. 積算
BIMには使用部材の名称や寸法、価格、材質、性能、数量などのさまざまな情報が入っています。そのため、積算システムと連携すれば、その情報をそのまま活用して自動での積算が可能です。
もちろんBIMの情報精度により修正や調整は必要です。しかし、図面を見ながら部材を一つひとつピックアップしていくのと比べれば、はるかに作業効率は良くなります。
2. 構造計算
BIMの情報を構造計算ソフトに連携すれば、そのまま簡単に構造計算が可能です。構造計算の結果から、BIMの情報を修正できるソフトもあります。外部アプリケーションと双方向に連携できるのがBIMの特徴です。
また、2次元の構造図も、3次元のBIMから切り出して容易に作成できます。マスターとなるBIMに修正があれば、構造図も自動的に修正されます。そのため、常に整合性のある図面作成が可能です。
3. 施工
BIMと連携すれば、クレーンの施工計画も高い精度で出せます。コンピューター上で実際にクレーンや吊り荷の位置をシミュレーションしたり、最適なクレーンを選定できたりします。
これまでは経験則に頼るしかありませんでしたが、BIMの情報を活用することで正確で無駄のない施工計画が可能です。また、仮設足場の施工計画などもスピーディーに作成できます。
4. 設備
建築物には、空調設備や衛生設備、電気設備などのさまざまな設備があり、ダクトや配管、ケーブルラックなどが張り巡らされています。これらの設備もBIMと連携して3次元で可視化することで、干渉や納まりの問題を避けやすくなります。施工現場での手戻りを少なくできるのがBIMの特徴です。
また、BIMには設備の情報を登録できるため、連携することで設備の維持管理にも有効です。建物のカルテとして、検査やメンテナンスのデータを蓄積できます。
5. シミュレーション
BIMと連携することで、さまざまなシミュレーションを実施できます。気流や温度、清浄度、日陰、照明、眺望、避難経路などの解析が可能です。断熱材や設備のパターンを変えて、省エネルギーのシミュレーションもできます。
6. ビジュアライゼーション
BIMの強みは、ビジュアライゼーション(可視化)にあります。レンダリングソフトと連携すれば、クオリティの高いバーチャル空間を作り出せます。プレゼンや建築パースの作成などに有効です。
3Dスキャンやカメラを使って、既存の建築物や設備のデータをBIMに連携させることもできます。一目瞭然のため、改修工事や進捗管理におけるコミュニケーションロスを減らし、生産性を向上させます。
まとめ
BIMの連携について活用事例を6つご紹介しました。
BIMは単なる3次元モデルではなく、そのなかにさまざまな情報が盛り込まれています。その情報を活用することにより、積算や構造計算、施工、設備、シミュレーション、ビジュアライゼーションなどのあらゆる分野で、業務が効率化されます。
人材不足の建設業界において、BIMの連携はこれから必要不可欠なものとなるでしょう。
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